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スイス時計とは違った魅力を持つ、ドイツ『グラスヒュッテ・オリジナル』の時計とは

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皆さま、こんにちは。

今回は、最近お客様からのお問い合わせが多くなっているドイツの時計ブランド『グラスヒュッテ・オリジナル』についてお話ししたいと思います。

高級時計といえばもちろんスイス製のものが有名ですが、ドイツの高級時計はスイス時計とはまた違った魅力を持っています。

 

 

■ドイツ高級時計の聖地グラスヒュッテのはじまり

ドイツの時計製造地は大きく分けて、スイスに近い西側のシュヴァルツヴァルト(黒い森)地方と、チェコに近い東側、ザクセン地方のグラスヒュッテの2か所にあります。

現在ではグラスヒュッテの町は、“ドイツ高級時計の聖地”と呼ばれています。

グラスヒュッテの町にはランゲ&ゾーネ、グラスヒュッテ・オリジナル、モリッツ・グロスマン、ノモス、チュチマなどの時計メーカーが、ほとんど隣り合わせといってもいいくらい近所に並んでいます。

観光地としても名高い、ドイツの古都ドレスデン

 

エルツ山地の山あいの小さな町、グラスヒュッテ

 

グラスヒュッテはドイツ東部の古都ドレスデンから30kmほど、エルツ山地の山あいにある森と丘陵に囲まれた小さな町です。もともとグラスヒュッテは銀鉱山が主な産業でしたが、19世紀には徐々に資源が枯渇し、町は衰退していきました。

そんな時、この町に新たな産業を創出するために一人の時計師がグラスヒュッテの町に移住してきます。その人物が、フェルディナント・アドルフ・ランゲです。

フェルディナント・アドルフ・ランゲ(1815~1875)

 

ドレスデンの時計職人だったランゲは1845年にグラスヒュッテ初の時計工房を設立しました。

ランゲは、鉱山の歴史があり金属加工技術に長けたグラスヒュッテの職人たちとともに、町全体をひとつの大きな時計工房とする一大事業を始めました。

こうして何もなかったグラスヒュッテの町に、多くの時計関連会社が生まれていきます。

さらに1878年にはアドルフ・ランゲの弟子だったモリッツ・グロスマンが中心となってグラスヒュッテ・ドイツ時計学校も設立され、時計産業はいっそう発展し、その名声は世界にも広がっていきました。

1878年当時のグラスヒュッテ時計学校

 

■戦争によってもたらされた数奇な運命

第一次・二次世界大戦で、グラスヒュッテはドイツの他の町と同じく爆撃で壊滅的な被害を受けました。

敗戦国となったドイツは東西に分裂し、東ドイツにあるグラスヒュッテの残った時計工房たちは『グラスヒュッテ国営時計会社(GUB)』という国営企業となりました。

 

■ベルリンの壁崩壊と時計会社の民営化

それから約40年後の1990年、東西ベルリンを隔てる壁が崩壊し、東西ドイツが統合されました。

そして民営化されたGUBの工場や人員などを継承する形で、1994年に時計ブランド『グラスヒュッテ・オリジナル』が誕生することになりました。

またアドルフ・ランゲのひ孫であるウォルター・ランゲにより、1990年にランゲ&ゾーネも復活を果たします。

グラスヒュッテ・オリジナルは旧GUB時代から工業化を進めると同時に、手工業のノウハウも継承してきました。

その結果、内外装の実に95%以上のパーツを自社で製造するマニュファクトリーになりました。

 

■グラスヒュッテのムーブメントの特徴

その① 『3/4プレート』

ムーブメントの大部分を覆っているプレートは『4分の3プレート』と呼ばれる仕様で、地板から組み上げられた歯車を押さえてカバーする、受けの役割をしています。大きなプレートでしっかりと歯車を押さえることでムーブメントの頑強さを高めています。

また、歯車の軸受けに使われる人口ルビーの穴石はゴールドのシャトン留めで美しく仕上げられています。

 

その② 『スワンネック』

そして最も特徴的なのが『スワンネック』です。

グラスヒュッテの時計のムーブメントには、美しいエングレービングが施されたテンプ受けに、スワンネック緩急微調整装置が取り付けられています。

これは、緩急針とそれに圧力をかける長く湾曲したバネから成り立っています。

バネが白鳥の首のような形状であることからスワンネックと呼ばれています。

時計の精度を調整する緩急針にこの装置を取り付けることで安定度が高まり、より細かな調整が可能になります。

『ダブルスワンネック』

グラスヒュッテ・オリジナルはこの原理をさらに発展させた『ダブルスワンネック緩急微調整装置』も採用しています。

これは2002年に独自に開発した『バタフライ』と呼ばれる2つのスワンネック・スプリングのことで、それぞれが独立した働きをし、一つは速度制御を、もう一つはテンプの振り角の調整ができる機構です。

この機構によって容易に微調整をすることが可能になっています。

ダブルスワンネックの緩急微調整装置

実用的な面だけでなく、熟練した職人による手作業でのエングレービングが施されていて、芸術的な美しさをもつパーツです。

 

■グラスヒュッテ・オリジナルのモデル紹介

 グラスヒュッテらしさの詰まった『パノ・コレクション』

グラスヒュッテ・オリジナルを代表的なモデルのひとつ、パノ・シリーズは、起源を同じくするA.ランゲ&ゾーネとも共通したデザインで、ドイツ時計のお手本とも言える特徴を持つコレクションです。

黄金比によってデザインされたアシンメトリーな配置で、クラシックな雰囲気と現代的な美しさが融合しています。

 

こちらのパノマティックルナは、ムーンフェイズを備えた自動巻きのモデル。

ガルバニックブルーの文字盤のアプライドインデックスはシルバー、針はホワイトゴールドで出来ています。

細かいレコード引きの装飾がサブダイヤルにコントラストを出し、光の変化に応じて繊細な表情を見せてくれます。

 

パノマティックルナ ステンレススティール

1-90-02-46-32-61

ケース:ステンレススティール製、ケース径40mm、ケース厚み12.7mm

防水:5気圧

ムーブメント:自動巻き 28,800振動、パワーリザーブ42時間

ストラップ:ダークブルーのアリゲーターレザー

バックル:ステンレススティール製フォールディングバックル

価格:1,364,000円(税込)

 

■「メイド・イン・グラスヒュッテ」の誇り

いかがでしたか?

敗戦と国有化という大変な出来事に翻弄され、永い年月を逆境に耐えながら伝統的な技術を守り続け、進化を遂げたグラスヒュッテ・オリジナル。

グラスヒュッテで作られる時計には『グラスヒュッテ規格』と呼ばれる厳しい規格が定められ、文字盤に『GLASHUTTE I/SA』のロゴが入っています。

その中においてもさらに厳しい自社基準を持ち、95%以上という極めて高い内製率で高品質な時計を世に送り出しているグラスヒュッテ・オリジナル。

独自の歩みによって、スイスの高級時計とはまた違った性能や美しさを持つドイツの高級時計の良さをしっかりと感じさせてくれるブランドだと思います。

このレベルの時計の中では価格が低めなのも、魅力のポイントです。

ぜひ一度、店頭でその魅力に触れてみてください。

 

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