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大空に夢をかけた男たちとパイロットウォッチ

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皆さま、こんにちは。

海外への渡航が再び自由にできるようになり、現代では当たり前となっていた飛行機のありがたさを改めて感じるこの頃。

今回は飛行機の時代を作った男たちと、それに伴って生まれ発展したパイロットウォッチについて触れたいと思います。

 

■飛行機の時代のはじまり

1903年12月17日、アメリカ・ノースカロライナの海岸でライト兄弟が世界初のエンジン付き飛行機『フライヤー1号』で空を飛ぶことに成功しました。

ライト兄弟

最初の飛行は飛距離36m、滞空時間12秒にすぎませんでしたが、ここから飛行機の実用化が急速に発達することになりました。

1903年12月17日、ライト兄弟初飛行の写真

 

その3年後の1906年に、フランスでアルベルト・サントス・デュモンが公式に、高さ約3m、距離約60mの動力飛行に成功しました。

アルベルト・サントス・デュモン

彼のためにルイ・カルティエが製作した『サントス・デュモン』が最初の航空機用時計といわれています。

そしてその12年後の1918年のイギリスで、英国王立空軍が創立されます。

世界初の独立空軍で、当時2万3000機近くの航空機を擁しました。

また、1920年代にはルフトハンザやパンアメリカンなどの航空会社が設立され、本格的に商業用飛行も始まりました。

 

■リンドバーグの出現と航空時計の誕生

しかし、1930年代に至るまでパイロット専用腕時計を作る会社は存在しませんでした。

そこにチャールズ・リンドバーグが登場します。

当時25歳のリンドバーグは1927年に愛機『スピリット・オブ・セントルイス号』でニューヨークのルーズベルト飛行場を飛び立ち、翌日にパリのル・ブルジェ空港に着陸、世界初の大西洋単独無着陸横断飛行に成功しました。

所要時間33時間30分、飛行距離5810km。この快挙により、飛行中の自機位置確認のための高精度な時計の必要性が高まりました。

スピリット・オブ・セントルイス号とチャールズ・リンドバーグ

 

■作家で飛行家のアントワーヌ・ド・サンテグジュペリ

『星の王子様』で知られる作家のアントワーヌ・ド・サンテグジュペリは、フランスで生まれ、幼いころから大空を飛ぶことを夢見ていました。

1923年から民間機のパイロットとして空を飛ぶようになり、1928年に小説『南方郵便機』を書きあげました。

1931年、初の夜間郵便飛行の経験をもとにした小説『夜間飛行』を発表しました。

第二次世界大戦が始まり、世界的に名の知られるパイロットになっていたサンテグジュペリは1943年に、フランス空軍の偵察部隊に配属されます。

この年にサンテグジュペリの代表作である『星の王子様』が出版されました。

 

それまで自分の飛行機の位置を確認する手段は、地形などの目立つランドマークなどによるもので、きわめて原始的なものでした。

しかし、リンドバーグの大西洋横断という長距離飛行やサンテグジュペリの夜間飛行のように周囲に目標物を確認出来ない飛行ではそうはいかず、やがてラジオビーコンとコンパス発信機を使ったナビゲーションシステムが開発されますが、そのナビゲーション技術の精度は正確な時間を計測できる時計にかかっていたのです。

リンドバーグはロンジンに製作を依頼し、1931年に『アワーアングル・ウォッチ』が発表されます。

 

そして1936年に、さらに実用的なゼロマーキング表示の回転ベゼルを装備した時計をIWCが製作しました。この時計が『スペシャル・パイロットウォッチ』です。

 

このモデルは手巻きの耐磁性ムーブメントを搭載し、この耐磁性能がのちのIWCパイロットウォッチの重要なテーマになっていきます。

1936年誕生のIWC初のパイロットウォッチ『スペシャル・パイロットウォッチ』に搭載された手巻きの耐磁性ムーブメント、cal.83。

 

■第二次世界大戦とパイロットウォッチの進化

永世中立国という立場ゆえに、スイスは時計産業や金融の分野で諸外国との交渉を行ってきた歴史があります。IWCもイギリスやドイツなどに時計を納入してきました。

ドーバー海峡上空で繰り広げられたイギリスとドイツによる『バトル・オブ・ブリテン』

 

1939年にドイツがポーランドに侵攻したのをきっかけに、第二次世界大戦がはじまりました。

1940年にはドーバー海峡上空では英国王立空軍とドイツ国防空軍の大空中戦『バトル・オブ・ブリテン』が繰り広げられました。

 

■ドイツ空軍からの依頼で作られたIWC『ビッグパイロットウォッチ』

1935年に設立されたドイツ国防軍空軍は第二次世界大戦勃発当初、IWCに誤読が不可能なほど大きなパイロットウォッチの開発を依頼しました。

このモデルは『ビッグパイロットウォッチ』と名づけられ、IWC史上最大となるケース径55mmの大型の時計でした。

1940年に誕生したこの時計はドイツ空軍のほか、英国王立空軍にも供給されました。

ビッグパイロットウォッチ・キャリバー52 T.S.C(Ref.IW431)

 

『ビッグパイロットウォッチ』は、前作の『スペシャル・パイロットウォッチ』には装備されていなかった秒針停止機構を備え、任務遂行に必要な“正確さ”に磨きがかかりました。

 

■ドイツとの空中戦で活躍したイギリスの名機『スピットファイア』

イギリスにとって“救国戦闘機”と呼ばれるスピットファイア。一人乗りで、初飛行は1936年です。

機名の『Spitfire』は“口から火を吐く、”転じて“短気な人”という意味で、第二次世界大戦を舞台とした映画にもよく登場します。

偶然にも、このスピットファイアの試作機の初飛行はIWC『スペシャル・パイロットウォッチ』発表と同じ1936年でした。

IWCはこの歴史的な名機に敬意を表し、現在のコレクションにその名を残しています。

2019年、IWCのサポートによりイギリスを出発し世界一周飛行する1943年製『シルバー・スピットファイア』。

 

■英国陸軍用に開発された初代『マーク10』

1945年、英国王立陸軍用に開発された初代『W.W.W』時計、『WWW Watch Wrist Waterproof For The British Army』= 『マーク10』が登場し、6000個が供給されました。これら6000個の特別モデルの裏蓋には“軍用”を意味する“M”の文字が刻印されています。

その翌年、1946年にアルバート・ペラトン設計による初のムーブメント、時計史において伝説の名機となったセンターセコンド装備の『キャリバー89』が登場し、1948年にIWCパイロットウォッチ史上伝説の名機といわれる『マーク11』が誕生したのです。

その後IWCパイロットウォッチは1952年からしばらくの間休息の時代に入り、1992年に『マーク12』の発表により、再びパイロットウォッチの表舞台に戻ってきたのです。

MARK Ⅻ

その後はパイロットウォッチの製造を確実に進め、現行モデルの『マーク20』や『ビッグパイロットウォッチ』をはじめとする豊富なラインナップで世界中の時計ファンを楽しませています。

 

■今回紹介する2本

『パイロットウォッチ・オートマティック・スピットファイア』

 

品番:IW326801

ケース:直径39mm、厚さ10.8mm ステンレススティール製

防水性:6気圧、ねじ込み式リューズ

ムーブメント:IWC自社製32110キャリバー、自動巻き

耐磁軟鉄製インナーケース

両面無反射ドーム型サファイアガラス

価格:687,500円(税込)

 

『ビッグパイロットウォッチ43』

品番:IW329301

ケース:直径43mm、厚さ13.6mm ステンレススティール製

防水性:10気圧、ねじ込み式リューズ

ムーブメント:IWC自社製82100キャリバー、自動巻き

ペラトン自動巻き機構

両面無反射ドーム型サファイアガラス

価格:1,254,000円(税込)

 

■まとめ

いかがでしたか?

飛行機の誕生、発達とともに腕時計の分野でも新たなジャンルが生まれ、発展してきました。

その陰には大空への挑戦を続けた飛行家や時計師たちの情熱と努力がありました。

現在では多くのパイロットウォッチが存在していますが、IWCのパイロットウォッチには他に類を見ない深い歴史と製品への信頼があります。

機械式時計の精度や性能が一国の運命を左右した第二次大戦中に、敵対するドイツとイギリスという2つの大国に同時に使用されていたことからも、その信頼性が伺えます。

ぜひ店頭で、魅力的なパイロットウォッチの世界をお楽しみください。

 

 

 

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